ビキニカーウォッシュ。それはビキニを着用した女性がアハハ・ウフフなどとはしゃぎながらカーをウォッシュする様子をでへへと眺めるサービスのことである。
異常に軽くてノリノリのビキニ女性たち
この映画に惹かれた人は、10人中10人がストーリーなどに期待していないのではないだろうか。ビキニ美女がセクシーなカメラアングルで抜かれていればそれでよい、と。だって、「フェラーリを洗車しちゃうぞ♡」だもの。B級どころかC級・D級エロの香りがムンムン漂っている。
だが、ここは映画レビューブログなので、非常に不本意ながらストーリーも織り交ぜて紹介する。鑑賞はAmazon Prime Videoから。
大学生のジャック(主人公)は、父親と教授からプレッシャーをかけられていた。父からは「結果を出さないと家も車も取り上げる」と脅され、教授からは「単位が欲しかったら洗車場経営で利益を出してみろ」と無茶振りされる。
そこで思いついたのがビキニカーウォッシュだ。幸い、友達のトリをはじめ、周囲の女性陣はノリノリで協力してくれた。軌道に乗ってきたところ求人をかけると、ストリッパー顔負けの女性がわんさか集まった。採用を勝ち取るためならポロリなんて朝飯前の猛者たちだ。
映画のほとんどはこうして集まったビキニギャルたちによる洗車シーンで埋め尽くされる。そのエロさはどこを切り取ってもB級以下で、僕は井之頭五郎のあの名ゼリフを心の中でそっとつぶやいた。
洗車場の経営は驚くほど順調に進む。ヤクザがショバ代を求めてきたり、スタッフの女性がお金欲しさにAVまがいのサービスを提案したりと、多少のトラブルは起こるものの、ジャックは無事に父・教授の両方から認められた。最後は彼女までゲットし、全ての登場人物が順風満帆の状態でエンドロールを迎える。清々しいハッピーエロ映画だ。
現実にあるビキニカーウォッシュというビジネスの実態
さて、作中でジャックは「頼りになる経営者」として友人・スタッフ一同から尊敬されているが、このビジネスの勝因はどう考えてもビキニギャルたちの努力にあるだろう。「客の目当ては私たち」と理解し、体を張った結果だ。
客の男共がスケベすぎたゆえのラッキーパンチ、という見方もあるが、現実にビジネス化しているビキニカーウォッシュの歴史をひもとくと、そうともいえない。
たとえば2009年、アメリカ・フロリダ州でビキニカーウォッシュを考案した女性の動機は「廃部の危機にあるチアリーディング部への資金援助」だったし、同じくフロリダ州で2018年にビキニカーウォッシュをはじめた洗車場のオーナーの目的は、「娘が通う特別支援学校への資金援助」だった(https://www.goo-net.com/magazine/106036.html)。
つまり映画に登場した男性客は、ジャックらが慈善事業を行っていると勘違いし、わざわざ利用してくれたという仮説が成り立つ。私だってそうしたであろう。本来なら、洗車技術の技の字も知らなさそうなビキニ娘に愛車を任せたいはずがない。ただし誰かを救うためなら話は別なので、不本意ではあるが最高級コースでお願いしてもよい。
さいごに
以上でネタバレ感想を終わるが、タイトルで伝えているように、ストーリーなんてどうだってよい。そもそも1/3がビキニを着た女性がくねくね洗車している映像だから、わからなくてもまったく問題ない。当初の目的通り、無の境地で目の保養をしておけばよいのだ。Don’t think! Feel!