ファミコン探偵倶楽部『うしろに立つ少女』のネタバレ感想。女性の胸元は調べるな!

ファミコン探偵倶楽部『うしろに立つ少女』のネタバレ感想。女性の胸元は調べるな!

『消えた後継者』とセットでリメイクされた ファミコン探偵倶楽部の第2段『うしろに立つ少女』は、当時の小・中学生を震え上がらせた作品だ。インパクトが強すぎたため、誰が犯人なのかはもちろん、細かなストーリーの展開も記憶している。

なので、きれいサッパリ忘れていた消えた後継者のようなワクワク感は味わえなかったが、あの犯人が令和現在でも私をゾッとさせる迫力を保っているのかは気になるところ。また、大好きだったひとみちゃんはどんな感じでリメイクされたのか、あゆみちゃんは相変わらずどこにいるのかわからないのかも楽しみだ。

犯人が振り向く間が悪い

うしろに立つ少女はホラー要素を交えた探偵推理もので、終始プレイヤーをビビらせてくる。明らかな心霊現象は起こらないものの、亡くなったしのぶが洋子に憑依しているのは間違いないし、最初は「バカバカしい」と取り合わなかった教職員たちが徐々に怯えだすのが妙にリアルで薄気味悪い。

だが、この世で一番怖いのは死んだ人間ではなく生きている人間なんだと学んだのが、日比野がブチ切れて自白するシーンである。背を向け静かに泣いていた優男が突如鬼の形相で振り返るあのシーンには度肝を抜かれたもんだ。

オリジナル版が良かったのは、当時の技術や容量ゆえに繊細な間を持たすことができず、「なぜなら……本当はみんな、俺が殺したからだ!」というセリフと同時に日比野が振り返るところだった。

しかしSwitchのリメイク版ではセリフの全容が先に表示されるうえ、「本当はみんな俺が」あたりで振り返る。これじゃあ心の準備ができてしまうのですよ。

表情の違いも明らかだ。オリジナル版の日比野は冷静であり、この場で主人公らを消すことに決めているかのような気迫を感じる。

しかしSwitch版ではやや錯乱した小心者のように見える。実際に日比野はそういうキャラクターだし、このような人間はそれはそれで怖いが、冷静さを欠いた人間の戦闘力というのは低いものだ。

昭和(平成だったか?)の日比野は急所をまっすぐ突いてきそうなのに対し、 令和の日比野はただナイフを振り回すだけのような、そんなイメージである。

ただ、キャラクターを繊細に描くほどこの手の指摘が増えるのは当然であるし、いま書いているほど貶しているわけではない。むしろ映像やボイスドラマは文句なしに素晴らしいと褒め称えておく。

ひとみちゃんのテーマ(BGM)がカッコいい!

ひとみちゃんは、名前はかわいいが丑美津高校の番長である強面の男子生徒。洋子の親友であり、超がつくほど馬鹿だが純真で憎めない男だ。

彼はシリーズを通して唯一腕の立ちそうな仲間なので、一緒にいる間は安心感がある。怒り狂った日比野が相手でも簡単にやっつけてくれそうだ(まあ、刃物を持った狂人相手には逃げるが勝ちなんだけど)。

ひとみちゃんが登場すると重低音のきいたバイオレンスなBGMがかかるのだが、これはSwitch版のリメイクが神。あっという間にひとみ一色になる。別途サウンドトラックが付いているCOLLECTOR’S EDITIONを買ってよかった。

どこにいるんだあゆみちゃん!は味わえない

あゆみは『消えた後継者』では超有能な同僚だが、本作ではなかなかの困ったちゃんで、主人公に睡眠薬入りのコーヒーを飲ませたうえで身勝手な調査をし、容疑者にとっ捕まってしまう。

目を覚ました主人公が慌てふためいてあゆみちゃんを探し回るのだが、若干の迷路ゲーム要素が加わり、この手のジャンルが苦手な人はあゆみちゃんに出会えないまま街をさまようことになる。

……のがオリジナル版だったが、Switch版はSFC版と同様、3D迷路はない。ようやくあゆみちゃんを見つけたとき、わりとマジで「どこに行っとったんじゃワレ!!」とキレなくて済むわけだ。

迷路ゲームが苦手な私としては歓迎なのだが、昭和ゲームのいじわるさを令和の子にも味合わせるという意味では、復活させてほしかった。

エッチなイタズラ&あゆみとの相性チェック健在

女性キャラの胸元や下半身などを「調べる」と、周囲の人に怒られたり、当の本人から睨まれたりする。女性からするとキモくてゴミクズのような行動だろうが、恐らく健康な男子なら全員やる。ゲーム内ではいくら緊迫した状態であっても調べに調べまくっているはずだ。

しかし、これらの行動はエンディング後のおまけ「あゆみとの相性チェック」に関係するため、あゆみから「私の写真……恥ずかしいけどあなたなら持っていてもいいわ」なーんて言われたかったら一切しないほうがいい。他にもフラグはありそうだが、詳細は私ではわからない。

相性のハートの数によって出てくるキャラクターが異なる。あゆみちゃんの同級生が出てきて「もしあゆみとダメだったら私と……」なんて言ってくることもあれば、酔っぱらいのハゲオヤジが出てきて「君はモテないだろう」と現実を叩きつけてくることもある。

また、スケベの限りを尽くせば(?)主人公のセクハラを厳重注意してきた巨乳の女性警官が登場するパターンもある。

ちなみに私はひとみちゃんが出てきて「タチバナさんなんて高嶺の花なんだよギャハハハ」等と笑われ、マジでイラッときた。

まとめ

ファミコン探偵倶楽部という名作中の名作をリメイクしてくれた関係者一同に非常に感謝したい。あの頃の気持ちを一部思い出せたし、推理もののゲームの素晴らしさを再認識した。

こんなゲームなら大歓迎なので、同じ路線で新作を出してほしいと心から願っている。

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