ふたりソロキャンプは、群れを嫌い孤独を好むソロキャンパーのおっさん・樹乃倉厳(34)が、ひょんなことで知り合った女子大生・草野雫(20)にソロキャンプのいろはを教えるという物語。
ソロキャンプの名を借りたおっさんと美女の「んなことあるかボケ」という恋愛ものかと思いきや、作者のキャンパーとしての知識やこだわりが随所に散りばめられており、キャンパー読者からの評判は悪くない。調理師志望の雫が作る、ちょっと手の混んだキャンプ飯を試してみる人も多いようだ。
適度に挟まれる恋愛描写は、厳が奥手かつ誠実な男であることから、さわやかな気分で見守れる。雫は初登場時の言動が悪すぎて一部の読者から反感を買っているが、私は一途に厳を想い続ける雫を全力で応援したい。
雫が立派なソロキャンパーになったとき、ふたりソロキャンプの存続はどうなってしまうのか? 厳の心境はすでに大きく変化しており、雫がいるからこそソロの時間をより楽しんでいるように見える(彼女がいるからこそ男友達といるのが楽しい的なアレだ)。
男目線の微エロ描写は必要か?
作者の出端祐大氏は18禁の作品を書いていた人らしく、その名残なのか無駄にエロ要素を入れてくる傾向がある。主な被害者(?)は雫で、アンバランス、いや奇形といえるほどデカい胸が描かれることは日常茶飯事。
厳の旧友・彰人は、雫との初対面で「おっぱい大きいね」と現実なら一生涯嫌われるレベルの発言をしている。
雫がキャンプ道具を探すために腰をかがめているときなど、何気ないシーンでもズボンを尻に食い込ませて下着のラインを強調させる始末(どうしてもエロく描きたくなる、といった発言を巻末のあとがきでしていた気がする)。
だが、はっきりいって不要だし、厳と雫が純粋に楽しむ様子を普通に描いてくれればそれでいい。一度、キャンプ飯を食べた後の「うま〜〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!」で二人が全裸になる描写があったが、何度読み返しても意味がわからない。
雫のナイスバディに惹かれてこの作品を読み始めた人は少なくないと思うが、多くの人はキャンプ漫画としての内容を評価しているはず。エロは必要ないんだよ出端先生。
ちょっとしたお色気シーンを描くくらいなら、いっそのことエロに振り切った作品を描いてくれまいか。何なら優秀なAVメーカーさんによる実写でもいい。別物としてなら楽しめそうだし、雫ではなく厳のガチムチ展開の需要もありそうだ。