品川ヒロシ監督の映画・『ドロップ』を観た後なぜかスッキリしない理由

品川ヒロシ監督の映画・『ドロップ』を観た後なぜかスッキリしない理由

基本的に不良青春ものは好きなほうだ。『BE-BOP-High School』しかり『クローズ』しかり。

だから採点は甘め。王道すぎる展開は、それはそれで心地よいものだ。

…が、なぜだろう。こう、何かが引っかかるものがある。この違和感は、不良青春ものの映画を観て味わったことのないものである。

ヤンキーの世界に憧れて私立中学校から公立中学校へ転校デビューを果たしたヒロシ。しかし案の定さっそく不良たちに目をつけられぶちのめされる。そのときタイマンを張った相手こそ、極悪非道なカリスマ・達也だった。達也と不良グループとの出会いからヒロシの青春が始まる。

違和感の正体は達也

楽しめた……でも、こう、なんかスッキリしない。エンドロールを見ながら首をひねっていると、ハッと答えが分かった。

物語の核である、達也というキャラクターが好きになれないんだ。

原作ではどうか知らないが、映画の達也は、私にはただのクレイジーな乱暴者にしか見えない。

それこそ、凶悪犯罪者予備軍、みたいな。

達也「ケンカすんのに理由が必要かよ」

→いや、必要に決まってるでしょ。

達也「人間はそんな簡単に死なねーよ」

→頭の打ち所が悪くて運悪く亡くなった人はいくらでもいるぞ……。

友情に厚く、仲間のためなら50人にでも向かっていく!

→ただただ、ケンカ狂にしか見えない。

しかしまあ、程度の差こそあれ、達也みたいなキャラって中学のとき何処にでもいた気がするなぁ。

敵にまわすとすごく厄介で、ちょっとしたことでキレて、しかも意地っ張りだから、下手をすればその流れでケンカになったりしてホント面倒なんだけど、友情にはとても厚い。

そう考えると、憎めない奴なのではあるが、近寄らないが吉である。

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